「AV女優」というラベルに近づいてくる人とは? 「善意の皮を被った欲の怪物たち」に注意せよ【神野藍】
神野藍「 私 を ほ ど く 」 〜 AV女優「渡辺まお」回顧録 〜連載第19回
■ハイリスクハイリターンの仕事には必ず怪物が潜む
最近はSNSを眺めていると気が滅入るような話題が流れてくる。特に自分より若い世代の人が「お金が足りない」といって、ハイリスクハイリターンの仕事に安易に手を出しているのを見ると、どことなくやるせなさを感じてしまう。そういう仕事は必ず善意の皮を被った怪物たちが後ろに潜んでいて、すぐに辞められると軽い気持ちで始めても、ずるずるとあの手この手を使われて深みへとのめり込ませていく。「何かあったら警察に頼れる」なんて思っていても、それすら奴らは封じて、横暴な要求を突きつけるようになる。そこに人間の善意なんて存在していない。そうやって追い込まれていった人間を見てきた。自業自得と言えばそれまでであるが、安直に未来を断つような選択をしないでほしいと祈ってしまうのだ。
多少の直感とこれまで得てきた知識のおかげもあって、怪物たちに縛り付けられることなく、搾取されることなく、今一人で歩けている。これから先、欲が溢れ出る場面や精神的にぐらいついてしまう場面がきたとしても、変な脇道に迷い込むことなく、一番信頼できる自分という存在で真っすぐ道を切り開いていきたい。
(第20回へつづく)
文:神野藍
※毎週金曜日、午前8時に配信予定